9×9=?
九九をド忘れ
小学生の頃、掛け算の九九を覚えさせられましたよね。でも、もし催眠術かなにかで九九をド忘れしてしまった時に はいくつ?って聞かれたらどうしましょう。
掛け算ですから、地道に を 回足し合わせればよさそうです。
\begin{align}9+9+9+9+9+9+9+9+9=81\end{align}
ただ何度も足すのはちょっと手間ですし、計算の回数が多くなると途中でミスをする可能性も高くなります。もっと神ワザ的な方法はないものでしょうか。
そこで紹介したいのが、私流の暗算法「イメージ算」です。
を暗算してみた
某パズルゲームを連想するかもしれませんが、青色のマスの変遷に注目。
このような流れをイメージすることにより、 は に置き換えられることが分かります。さすがにこの形になれば って一目瞭然(*´ω`*)
…とはいっても、「九九だけを都合よくド忘れする」なんてことがありえませんし、わざわざこのようにイメージする必要性を感じませんよね。
ところが、実はこれを応用すると次のような計算で威力を発揮するんです。
を暗算してみた
では先ほどの と同じ要領で を計算してみましょう。もう催眠術は解けましたので、九九を使ってよいですよ(*´ω`*)
まずは右端の溝の幅が であることに注目します。
先程同様、この溝にピッタリはまる大きさに上部を削り取り、
\begin{align}991\times994=&(985+6)\times994\\=&(985\times994)+(6\times994)\end{align}
削り取った の部分を持ち上げて回転させ、溝に落とすと…
\begin{align}991\times994=&985\times1000+(994-985)\times6\\=&985000+54\\=&985054\end{align}
このようにラクラク計算できてしまいます。計算式だけ見るとなんのこっちゃかもですが、イメージの流れを頭に描くといつの間にかこの式が出てきて答えがわかってしまう、そんな所に「イメージ算」のスゴさを感じていただけたら幸いです。
結論
式で書くとかえって分かりにくいかもですが、イメージ算の内容を分析してみると
\begin{align}A\times B=(N-((N-A)+(N-B)))\times N~+~(N-A)\times(N-B)\end{align}
という計算を視覚的に行っていたことが分かります。
この は や などの掛け算しやすい数がよく、もちろん や 、 や などでもよいでしょう。但し、 が簡単なほど計算の手間が省けますので、その条件に合わせられるときこそオススメの計算法と言えそうです。
少し工夫してあげれば、 進数の計算や異なる基数への変換にも応用できますので、興味のある方は試行錯誤してみてくださいね。
というわけで、計算式とにらめっこだけではなく、視覚的なイメージを描いてみるとその本質や意外な近道を発見できるかも知れませんよ、というお話でした!