抜けてるようで抜けてない話
こんな計算をご存知でしょうか?
この式に初めて出会った時、私は から の数字と が並んでいることに数の神秘を感じました。でも、よーくみるとなんだか違和感。そう、 が抜けてるんです。
うわー、惜しい! かといって試しに を入れて を計算してみると で、今度は がジャマ。。゚(゚´Д`゚)゚。
でも待って。ここで私は「抜けてるようで実は抜けてない説」に気付きました!
どゆことかと言いますと、「」を桁ごとに間をあけて書くとホントは「」なんじゃないかなって思ったんです。
筆算を思い出していただき、一番下の桁から繰り上がりをしていくと
「」からの~
「」からの~
「」
ホラ、同じじゃないですか(`ー´) ドヤッ!
とはいえ、これだけではまだ意味がよく分からないので別アプローチで補強しましょう。
数字が順番に並ぶ計算は他にも「」というのがあります。小数点以下に から までの二桁の数が並び、以降は再び へ戻ってループ…なのですが、なんとこちらも が抜けてるという共通点。
「」もやっぱり同様で、 から までの三桁の数が並ぶものの が抜けています。
実はこれらも「抜けてるようで抜けてない説」なんです。
例として、一番シンプルな で検証してみますね。
\begin{align*} \left(1\div9\right)\div9&=\left(0.111\dots\right)\div9\\&=\left(0.1+0.01+0.001+\dots\right)\div9\\&=0.0111\dots+0.00111\dots+0.000111+\dots\\(&=0.0~1~2~3~4~5~6~7~8~9~10~11~12~\dots)\\&=0.0123456790123\dots \end{align*}
下から二段目のカッコ内は、繰り上げ前の筆算のように桁ごとの の合計をならべて書いたものです。「抜けてるようで実は抜けてない」というのは「桁の繰り上がりによってあたかも抜けたように見える」というミラクル現象だったんですね!