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   気ままにらくがきブログ

抜けてるようで抜けてない話

こんな計算をご存知でしょうか?

12345679\times9=111111111

この式に初めて出会った時、私は 1 から 9 の数字と 1 が並んでいることに数の神秘を感じました。でも、よーくみるとなんだか違和感。そう、8 が抜けてるんです。

うわー、惜しい! かといって試しに 8 を入れて 123456789\times9 を計算してみると 1111111101 で、今度は 0 がジャマ。。゚(゚´Д`゚)゚。

でも待って。ここで私は「抜けてるようで実は抜けてない説」に気付きました!
どゆことかと言いますと、「12345679」を桁ごとに間をあけて書くとホントは「1~2~3~4~5~6~7~8.9~10」なんじゃないかなって思ったんです。

筆算を思い出していただき、一番下の桁から繰り上がりをしていくと

1~2~3~4~5~6~7~8.9~10」からの~
1~2~3~4~5~6~7~8.10~0」からの~
1~2~3~4~5~6~7~9.0~0

ホラ、同じじゃないですか(`ー´) ドヤッ!

とはいえ、これだけではまだ意味がよく分からないので別アプローチで補強しましょう。

数字が順番に並ぶ計算は他にも「1\div9801=1\div99\div99=0.00010203\dots」というのがあります。小数点以下に 00 から 99 までの二桁の数が並び、以降は再び 00 へ戻ってループ…なのですが、なんとこちらも 98 が抜けてるという共通点。

1\div998001=1\div999\div999=0.000001002003\dots」もやっぱり同様で、000 から 999 までの三桁の数が並ぶものの 998 が抜けています。

実はこれらも「抜けてるようで抜けてない説」なんです。
例として、一番シンプルな 1\div81=1\div9\div9 で検証してみますね。

\begin{align*} \left(1\div9\right)\div9&=\left(0.111\dots\right)\div9\\&=\left(0.1+0.01+0.001+\dots\right)\div9\\&=0.0111\dots+0.00111\dots+0.000111+\dots\\(&=0.0~1~2~3~4~5~6~7~8~9~10~11~12~\dots)\\&=0.0123456790123\dots \end{align*}

下から二段目のカッコ内は、繰り上げ前の筆算のように桁ごとの 1 の合計をならべて書いたものです。「抜けてるようで実は抜けてない」というのは「桁の繰り上がりによってあたかも抜けたように見える」というミラクル現象だったんですね!